ヴェネチアンガラスの技法のひとつであり、小さなガラス片をモザイク状につなぎ、吹きガラスの手法で成形する「ムッリーネ」。江波さんのムッリーネは、わずか5ミリ角のガラス片のなかに草花や生き物などの具象や幾何学紋様が組み込まれており、それらをならべて繊細な模様を描きます。それは一編の物語を読むように雄弁であり、愛らしいフォルムとの取り合せは唯一無二である江波冨士子さんの世界を作り上げます。
小西潮さんはヴェネチアンガラスの技法のひとつレースガラスを手がけます。いくつもの工程を織り成して生まれる繊細かつ緻密な作品の色柄の元となるケイン(棒)ワークを、工房で拝見しました。灼熱の工房の中でタイミングを計りながら、楽しそうに作業を繰り返す小西さんの腕から伸ばされていくガラスの棒は、素人の私が見ても美しく最上質でした。そんなお人柄が現れるかのように、小西さんの作品はどこか楽しげです。
今展ではお二人の素晴らしいうつわやオブジェなどと共に、茶道を嗜まれているお二人だからこその茶碗や茶器など、茶道具もご用意いただいております。また初日には茶話会をご用意させていただいております。五月の新緑のこの時期に、寺田美術にてご高覧いただけましたら幸いです。

5/20(土)~5/25(木) 12:00~18:00
初日のみ茶話会のため13:00時開廊 / 最終日のみ 17:00まで
作家在廊:5/20
※状況により入場制限を行う場合があります。

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