京都に工房を構え、精力的に木工作品を制作されている佃眞吾さんの作域はとても広い。家具職人の経験を経て、刳り物、漆、指物などの幅広い技術を習得したことに加え、素材の置き換えにも取り組んでおり、それが大きな魅力のひとつとなっています。

黒田乾吉氏の木工塾で学ばれた佃さんは、日本の工芸の歴史にも造詣が深く、古の時代銀への憧れが白磁を生み出したように、美しい金工作品の造形を木で写し、木目を生かした佃眞吾独自の世界観を築きました。木目に惹かれ、名木に挑んできた佃さんだからこそ成せる仕事と言えるのではないでしょうか。形をただ写すのではなく、歴史に対する深い造詣と敬意、木工作家にとって重要な材を見極める「眼」、そして今を掴みとるアイディアと感性が佃さんの作品を比類なき魅力ある作品としています。

今展では、佃眞吾さんらしい木目、杢目を生かした作品とともに、茶器や茶箱に見たてられるお箱などもご用意いただいております。寺田美術の光溢れる空間にて、ご高覧いただけましたら幸いです。

寺田ひと美

会期:2023年2月25日(土)~3月2日(木)
12時~18時 / 最終日は17:00まで
作家在廊日:25日(土)
※状況により入場制限を行う場合があります。

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