現在奈良県桜井市で作陶をされている辻村塊さん。陶芸家辻村史郎さんを父に持つという環境の中、自然と陶芸に触れ学びながら、彼の技術と審美眼は培われてきました。塊さんの作品の特徴のひとつとして、ずば抜けた感性によるフォルムの美しさが挙げられますが、それは確固たる技術の裏付けがあってこそ光るものだということを、彼の工房で見た山のような作品群が語っているようでした。彼にとって焼き物を作ることは特別な仕事ではなく、表現方法が焼き物だったというだけで、自分の中のなにかを形にしているだけだと淡々と語る塊さん。 ?それは日常の中に陶芸があり、陶芸の中に日常があるということです? だからこそ暮らしに寄り添い、心に寄り添ってくれる作品となるのではないでしょうか。今展では茶碗を主に、花入や水指などの茶道具と暮らしのうつわや酒器をご用意いただきます。ぜひ寺田美術の光溢れる空間にて、ご高覧いただけましたら幸いです。
寺田ひと美
会期:2022年10月29日(土)~11月3日(木)
作家在廊:29日, 30日
12時~18時 / 最終日は17:00まで
※状況により入場制限を行う場合があります。