高橋奈己さんは植物の果実やつぼみなど、自然界が生み出すアシンメトリーな造形に強く惹かれ、継続的にそれらをモチーフにして制作しています。プリーツで構成されたかたちは、映し出される光と影のグラデーションにより表情が豊かに変化し、近年さらに精緻で洗練された造形へと進化しています。彼女にこういう物を作って欲しいと伝えると、予想を超えた作品が眼前に現れます。それは彼女が哲学的な思考と職人的な技術を重ねる作家に他ならないからです。造形美に対する強いこだわりと信念、他者の言葉を受け入れることのできる柔軟な思考力と抱擁力。強くて柔らかで、しなやかな生命力に溢れた彼女の白磁はどこまで伸びていくのか。楽しみが止まりません。
今展では白磁だけでなく、金彩、プラチナ彩、そして土物もご用意くださいます。茶碗や蓋物、大きめの花器など、素晴らしい作品を、ぜひ会場にてご高覧ください。

寺田ひと美

会期
2025年5月31日(土)−6月5日(木)12:00−18:00
*最終日のみ 17:00 まで
作家在廊:5月31日, 6月1, 3, 4, 5 日

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