今展で寺田美術での展示会が三回目となる村田匠也さんは、代々京都の焼き物に携わる家系に生まれ、息を吸うように陶芸に触れる環境で育ち、現在も京都の工房にて制作をされています。村田さんの作品の特徴は、圧倒的な轆轤成形の巧さです。土を挽き上げた時にしか出せない伸びやかな表情は、一瞬の煌めきやスピード感があればこそ。確かな技術で裏打ちされた端正で精緻なフォルム、その一方でたおやかで柔和な表情を魅せてくれる村田さんの作品たち。彼の感性は静止した作品に自然物の「生きた形」を取り込むことで、自然界の呼吸が感じられる瑞々しい作品を創りあげるのです。
磁器らしい透明感のある青白磁に、微かに頬を染めたような愛らしい桃白磁。今展では村田さんらしい清廉な中国茶 器や器、花器などとともに、抹茶碗や蓋物をご用意いただいております。薫風の爽やかな五月に、寺田美術にてご高覧いただけましたら幸いです。

寺田ひと美

会期
2025年5月10日(土)−5月15日(木)12:00−18:00
*最終日のみ 17:00 まで
作家在廊:10日

TOP