釋永維さんの作品は、金属を用いていながらとても軽やかです。まるで一陣の風が吹いているかのように、雲がふんわり浮かんでいるかのように「重さ」のようなものを感じさせないのです。
彼女が大学で金属工芸を学んだ後、ミキモト装身具でジュエリー制作に携わっていたと伺い、納得でした。金属の強靭さと脆さを見つめながら、新たな造形を目指す、と彼女は語ります。これからますます目が離せない金属作家のおひとりです。
自然の奥深さや、エネルギーをテーマに制作される塚田美登里さん。彼女は目には見えないような世界の連なりやリズムを感じ、その表現としての作品は優美でありながら、非常にダイナミックです。ガラスに熱を加えることによって生まれる自然で美しい曲線、金属箔を溶着させることによって得られる多彩な色彩を生かし、自分らしく新しいガラスの表現を見つけていきたいと塚田さんは語ります。
彼女の造形的な作品は、金沢21世紀美術館などの現代美術館に、海外ではフィラデルフィア美術館に永久収蔵されており、多くの受賞歴があります。近年はより工芸的な作品にも精力的に取り組みKOGEI未来派として紹介される等、表現の幅を広げ続けています。
自然と素材に真摯に向き合うお二人の作品を、ぜひ寺田美術の光りの空間にてご高覧いただけましたら幸いです。
寺田ひと美
会期
2024年4月20日(土)−4月25日(木)12:00−18:00
*最終日のみ17:00迄
作家在廊:20日、21日 釋永・塚田