大室桃生・加藤亮太郎・川合優・長谷川清吉 四人展

大室桃生さんはパートドヴェールという古代に生まれた鋳型を用いるガラス技法で、器やランプシェードなどの作品を制作しています。鮮やかな草花やモダンな幾何学模様などモチーフや図柄は多岐に渡り、美大で金工を学び伝統工芸に携わった経験と、軽やかで透明感あふれる卓越したセンスの良さが、オリジナリティとアート感溢れる彼女の世界観を創りあげます。

岐阜県多治見市の「幸兵衛窯」八代目の陶芸家、加藤亮太郎さんは穴窯焼成にこだわり、志野や瀬戸黒、織部など美濃の茶陶を中心に制作しています。亮太郎さんが生み出す茶碗は、桃山時代の茶陶が持つ古格に迫る存在感がありながらもモダンかつ軽やかで、ハレに相応しい華やかさを持ちながら、日々手取ってお茶をいただきたくなる掌へ癒しがあります。

川合優さんは、京都精華大学で建築を学び、飛騨、京都での修行を経た後独立し、岐阜県美濃で木工作家として工房を構えています。家具や茶道具など、木地の個性を生かした作品制作のほか、自身で設立したブランド「SOMA」の活動を通じて、日本古来からの木と暮らす文化を現代の生活に取り入れるべく、木の持つ魅力や可能性を発信しています。

長谷川清吉さんは、海外留学後、名古屋の茶道金工家である父・長谷川一望斎春洸氏に師事し、現在四代目として繊細で美しい茶道具に取り組む一方、「使い捨ての工業製品」をモチーフとした精巧なアート作品も手がけるなど、力強い確かな技術と、金属という素材の概念を超えたユニークな発想で、金工作家として新しい領域に挑戦しています。

確かな技術の中にモダンな感性が光る四人の作家たちが、それぞれの素材に敬意を払い、真摯に制作に打ち込んできた、その情熱をこの企画展にてご高覧いただけましたら幸いでございます。

寺田ひと美

会期
2024年9月14日(土)−9月19日(木)12:00−18:00
*初日は茶話会のため13:00開廊
*最終日のみ17:00迄
作家在廊:14日

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