今展では、陶芸家の安齋賢太さんと写真家の山上新平さんの二人に黒をテーマとした作品を制作していただきました。安齋さんの陶胎漆器は、独自の技法による石のような質感を生み、プリミティブな美しさを湛えます。冷静さと優しさ、強さと柔らかさが共存し、見る者に安らぎを感じさせてくれます。
山上さんの作品のひとつひとつは、被写体である自然と真摯に対峙して得られた静かなる戦いの記録と言えます。命が無数に重なり合う静寂の中でシャッターを切り、暗闇にいるからこそ気づく僅かな光と息吹をとらえます。陶芸と写真、手法の違いはあっても深く印象的な「黒」を共通のテーマとした二人の作品が寺田美術の空間でどのように昇華されるのか楽しみでなりません。

会期:2020年7月23日(木)~7月30日(木)
12時~19時 / 最終日は17:00まで
作家在廊日 安齋:23日 山上:23, 25, 29日

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